デジタル給与は本当に安全?倒産時の保証まで徹底解説【従業員必見】

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「来月から給与の一部をスマホ決済で受け取れるようになるらしいけど、正直よくわからない…」
「デジタル給与って、海外では当たり前って本当?」
2023年4月、日本でも「デジタル給与(賃金のデジタル払い)」が解禁されました。しかし、2024年10月に実施された帝国データバンクの調査によると、企業の約9割が「導入予定はない」と回答しており、まだ様子見の段階にあるのが実情です。

一方で、世界に目を向けると、デジタルでの給与支払いは普及しています。この記事では、デジタル給与の基本から、従業員である私たちが知っておくべきメリット・デメリット、そして海外のリアルな事情まで、5分でサクッと解説します。

1. デジタル給与って何?「給料が消える」ってホント?

「デジタル給与」とは、皆さんが普段利用している銀行口座ではなく、スマートフォン決済アプリ(PayPayなど)や電子マネーの口座で給与を受け取る仕組みのことです。

「でも、アプリの会社が倒産したら給料が消えちゃうんじゃないの?」と心配になる方もいるかもしれませんね。その点については、国がしっかりルールを定めているので、ご安心ください。皆さんが特に気になっているであろう点をピックアップしてご紹介します(2025年6月25日時点)。

  • 資産はしっかり保証される: 万が一、資金移動業者が破綻しても、皆さんの給与は保証機関などによって守られる仕組みになっています。また、口座の乗っ取りなどによる不正出金時も、口座所有者に過失がなければ全額補償されるので安心です。
  • 上限は100万円: 口座に残せる上限額は100万円と定められており、これを超えた分は自動的に指定の銀行口座へ送金されます。そのため、多額の現金がアプリに置きっぱなしになる心配はありません。
  • 同意なしには始まらない: 会社が一方的にデジタル給与を強制することは法律で禁じられています。必ず従業員本人の同意が必要なので、納得しないままデジタル給与に切り替わることはありません。
  • 現金化もOK: 月に1回以上、手数料無料で現金を引き出せる手段の確保が義務付けられています。必要な時には現金として引き出せるので、いざという時も困りません。

※現在(2025年6月25日時点)、厚生労働省から指定を受けている資金移動業者は「PayPay」「リクルートMUFGビジネス」「auカブコム証券」「B/43(スマートバンク)」の4社です。

2. 世界では当たり前?日本と異なる世界のデジタル給与事情

日本ではまだ馴染みが薄いデジタル給与ですが、海外では働き方や社会の変化に合わせて、さまざまな形で普及しています。日本と異なり、銀行口座の保有率が低く、アフリカで約9割、中東では約7割、米国では約1割の人が保有していません。世界の事例を見てみましょう。

  • アメリカ: Uberの配達員のような「ギグワーカー」の増加に伴い、働いた分だけ給与日よりも前に給料を受け取れる「EWA(稼働済み賃金への早期アクセス)」というサービスが普及しています。
  • ヨーロッパ: 労働者の権利を守る意識が強く、給与支払いにおける個人のデータ保護(GDPR)などが厳しく定められています。その上で、リモートワーカーや国際的なチームへの支払いにデジタル決済が活用されています。
  • アジア・アフリカ: 銀行口座を持たない人が多い地域では、携帯電話番号を使った「モバイルマネー」が給与受け取りの生命線になっています。東南アジアで配車サービスを展開する「Grab」は、自社の決済サービス「GrabPay」でドライバーに報酬を支払い、成功を収めています。

このように、海外ではキャッシュレス化の進展だけでなく、多様な働き方を支え、金融サービスをすべての人に届ける「金融包摂」の役割も担っているのです。

3. デジタル給与、私たちにとってのメリット・デメリットは?

海外の状況も踏まえ、デジタル給与を導入した場合の、私たち従業員側のメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

  • チャージの手間いらずで便利: 給与が直接アプリにチャージされるため、ATMでお金をおろしてアプリにチャージする手間がなくなります。
  • お金の管理がしやすい: アプリで支出を管理しやすくなり、「使いすぎを防げる」という声もあります。
  • 外国人労働者にやさしい: 銀行口座の開設が難しい外国人労働者にとって、給与を受け取るための重要な選択肢になります。

デメリット

  • セキュリティへの不安: アカウントの乗っ取りや情報流出といったサイバー犯罪のリスクはゼロではありません。ご自身でセキュリティ意識を高める必要があります。
  • 現金化の手間と手数料: 月1回は手数料無料で現金化できますが、それ以上の頻度で現金化したい場合は手数料がかかる可能性があります。
  • 使える場所が限られる: 地方や個人商店など、まだキャッシュレス決済に対応していない店舗では不便を感じるかもしれません。

4. まとめ:自分に合った受け取り方を選ぼう

デジタル給与は、私たちの生活をより便利にする可能性を秘めた新しい選択肢です。特に、キャッシュレス決済を日常的に利用する人や、お金の管理をシンプルにしたい人にとっては大きなメリットがあるでしょう。

一方で、日本ではまだ始まったばかりの制度であり、企業側の導入が進んでいないことや、セキュリティへの不安など、慎重に考えるべき点も残っています。海外のように当たり前になるには、もう少し時間が必要かもしれません。また、世界的にブロックチェーン技術や中央銀行デジタル通貨(CBDC)がさらに発展すればするほど、デジタル給与の普及を加速させる可能性も秘めています。

もし会社からデジタル給与を提案されたら、メリット・デメリットをよく理解し、ご自身のライフスタイルに合っているかを考えてみましょう。この機会に、自分にとって最適なお金の管理方法を見つけてみてはいかがでしょうか。


参考・出典

本記事は、以下の資料を基に作成しました。


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