深刻な人手不足とレジ混雑を同時解決！AI無人決済という最終兵器

2025.08.14
読了時間目安 3分

小売業界で深刻化する人手不足、高騰する人件費、レジの長い待ち時間による顧客離れ。これらの課題に頭を悩ませている経営者にとって、無人店舗技術は革命的なソリューションとなっています。世界各地で実証されている最新事例を通じて、具体的な解決策を探ってみましょう。

世界最大級の自動スーパーマーケットが証明する圧倒的な効果
世界の成功事例から学ぶ、無人決済の可能性
まとめ：未来の小売業へ。今こそ変革の第一歩を
参考・出典

世界最大級の自動スーパーマーケットが証明する圧倒的な効果

ポルトガルで2025年1月にオープンした世界最大の無人スーパーマーケットは、小売業界の常識を根本から変えました。面積1,200平方メートル以上の大型店舗で、AIとセンサー技術を融合した革新的システムを導入しています。

アプリ不要の「民主的な入店」: 多くの無人店舗で必要とされる専用アプリのダウンロードや事前登録は一切不要。誰でも気軽に、従来型のスーパーと同じように入店できます。
リアルタイムの「バーチャル買い物かご」: 顧客が商品を手に取ると、AI（人工知能）とコンピュータビジョン、棚に設置された無数のセンサーが連携し、瞬時にデジタル上の買い物かごに商品が追加されます。
会計は一瞬: 買い物が終わったら、出口付近の決済端末の前に立つだけ。画面に購入商品のリストが自動で表示され、内容を確認してカードや現金で支払えば完了です。もう、商品を一つひとつスキャンする手間はありません。

このシステムは、果物や野菜といった量り売りの商品や、専門スタッフが対応する鮮魚コーナーの商品にまで対応しており、従来のスーパーと遜色ない品揃えを実現しています。

Sensei社のCEO兼共同創設者であるVasco Portugal氏は、「Senseiの技術は、レジの行列をなくすだけではありません。小売業者が業務を最適化するための貴重なリアルタイムデータを提供しながら、ショッピング体験全体を向上させるのです」と語っています。

世界の成功事例から学ぶ、無人決済の可能性

無人決済の波は、世界中に広まっています。大規模店舗だけでなく、このテクノロジーはより小さなフォーマットでもその価値を発揮しています。

Sensei社の元幹部が立ち上げたスタートアップ「Just Around The Corner」は、オフィスやマンション内に24時間営業の無人ミニマーケットを展開。スナックや冷凍食品、日用品などを提供し、利用者の「ちょっとした買い物」のニーズに応えています。

地方のインフラを支えるコンビニ（ドイツ）: 24時間営業の無人コンビニ「Tante-M」は、郊外や過疎化が進む地域の「買い物難民」を救う存在として注目されています。小さな店舗に必要な食料品や日用品を揃え、地域住民の生活に不可欠なライフラインとなっています。これは、無人化技術が大手だけでなく、地域密着型の小規模ビジネスにおいても、社会的課題の解決と事業継続を両立させる有効な手段であることを示す好例です。

国内での展開（日本）: NTTデータが展開するウォークスルー店舗「CATCH&GO」は、その代表格です。この店舗では、天井に設置された多数のAIカメラと商品棚の重量センサーを組み合わせることで、顧客が手に取った商品をリアルタイムで認識します。利用者は専用アプリでQRコードをかざして入店し、商品を持って退店するだけで自動的に決済が完了。NTTデータが長年培ってきた高度な画像認識技術と情報処理能力が、日本の厳しい消費者要求に応えるスムーズな買い物体験を実現しています。