「後払いは怖い」はもう古い！Klarnaの「無利子4回払い」の仕組みと後払い決済の未来を解説

2025.07.28
読了時間目安 5分

「後で支払う」という選択肢が、もっと身近でスマートになるかもしれません。スウェーデン発の決済サービス企業Klarnaが、私たちの買い物体験を根底から変えようとしています。特にここ2か月間で、Google Payや大手クレジットカードブランドVisaとの提携などを発表しています。
この記事では、今回の提携を含めたKlarnaの動きが私たちの買い物体験や決済業界にどのような影響を与えるのか、そして多くの人が気になる「Pay in 4」や「Pay Later」の仕組みについて、約5分で詳しく解説していきます。

Klarnaの進化が止まらない！私たちの買い物はどう変わる？
なぜ今Klarnaはオフラインや既存の決済網と連携するのか？
「無利子の4回払い」は本当にお得？その仕組みと注意点
「高額商品に対する0%からのAPRでの分割払い」とは？
まとめ：Klarnaが拓く、新しい買い物のカタチ
参考・出典

Klarnaの進化が止まらない！私たちの買い物はどう変わる？

スウェーデン発の決済サービス企業Klarnaが、私たちの買い物体験を根底から変えようとしています。最近の大きな動きは、Google Payや大手クレジットカードブランドVisaとの提携です。これにより、これまで主にオンラインでの利用が中心だった後払いサービスが、実店舗やあらゆる決済シーンへと一気に拡大しようとしています。

この動きは、単に支払い方法が増えるというだけではありません。私たちの消費行動やお金との付き合い方そのものに、大きな変化をもたらす可能性を秘めているのです。

なぜ今Klarnaはオフラインや既存の決済網と連携するのか？

KlarnaがGoogle PayやVisaと手を組む背景には、決済の「あらゆる場面」でユーザーに選択肢を提供するという明確な戦略があります。

具体的には、以下のような提携が発表されています。

Google Payとの連携: 最初の発表は2024年11月19日に行われていましたが2025年6月23日、KlarnaはGoogle Payとの連携を正式に開始しました。これまでオンラインが中心だったKlarnaの「Pay in 4（無利子の4回払い）」が、AndroidアプリおよびGoogle Payを介して米国のGoogle Payユーザーは35ドル以上の購入時に利用可能になります。世界最大級のデジタルウォレットとの連携を果たしたことで、利用シーンは大幅に拡大しています。
Google Payの利用者は1日に10億回以上のショッピングを行っており、この巨大な顧客基盤にKlarnaのサービスが組み込まれることで、BNPL（後払い決済）市場のさらなる拡大が期待されます。
Visaとの提携: 2025年6月3日、KlarnaとVisaは新たなデビットカード「Klarna Card」を試験的に導入すると発表しました。このカードは、通常のデビットカードとしての機能に加え、Klarnaの柔軟な支払いオプション「Pay in 4」や「Pay Later」（無利子4回分割払い・後払い）を1枚に統合した画期的な商品をユーザーに提供することを目指しています。特徴は、従来のクレジットカードのような利息負担を避けながら、柔軟な支払いオプションをユーザーに提供することです。
後払いサービスが、実店舗やあらゆる決済シーンへと一気に拡大していくと予想されます。

さらに、Klarnaはリセール市場（中古品市場）にも進出しています。2025年7月22日、人気のリセールプラットフォーム「Poshmark」との提携により、米国在住のKlarnaアプリユーザーが、ボタンをタップするだけで、過去のKlarna購入品をPoshmarkに即座に出品できるようになりました。これは「転売」するプロセスを簡素化し、特に若年層の間で高まるサステナブルな消費への関心と、賢い買い物ニーズを捉えた動きと言えるでしょう。

これらの動きから、BNPL業界がオンラインの枠を超え、オフライン、そして個人間取引へとサービス範囲を広げ、既存の金融システムと融合していく未来が見えてきます。

「無利子の4回払い」は本当にお得？その仕組みと注意点

多くの人がKlarnaに興味を持つきっかけとなるのが「Pay in 4」、「無利子の4回払い」です。このサービスは4回に均等分割して支払うもので、利息は一切かかりません。

「なぜ無利子で提供できるのか？」と疑問に思う方もいるでしょう。一般的なBNPL（後払い決済）サービスは、ユーザーから利息を取る代わりに、Klarnaはサービスを導入している加盟店（お店側）から手数料を受け取ることで収益を得ています。お店側は、手数料を払ってでもKlarnaを導入することで、高額商品が売れやすくなったり、購入を迷っている顧客の背中を押したりするメリットがあるのです。

ただし、便利なサービスだからこそ、計画的な利用が重要です。Klarnaアプリには「予算管理」や「支出追跡リマインダー」が提供されており、計画的な利用を支援する機能がありますが、様々な後払いサービス同様、自分の支払い能力を超えた利用は避けるべきです。

「高額商品に対する0%からのAPRでの分割払い」とは？

Klarnaは、少額の4回払いだけでなく、より高額な商品向けの分割払いプラン「Pay Later」も提供しています。これは「Financing」と呼ばれ、最大36ヶ月といった長期間での支払いが可能です。

このプランの大きな特徴は、金利（APR – Annual Percentage Rate）が0%から設定されている点です。つまり、クレジットカードの分割払いやリボ払いのように金利を払うことなく、高額な商品を分割払いで購入できる場合があります。

ただし、「0%から」という表記の通り、すべての買い物で金利が0%になるわけではありません。利用する際には、申し込み画面で提示される金利や支払い総額を必ず確認し、納得した上で契約することが大切です。

まとめ：Klarnaが拓く、新しい買い物のカタチ

Klarnaの最新動向は、後払い（BNPL）サービスが特別なものではなく、デビットカードやクレジットカードのように、当たり前の支払い選択肢の一つになる未来を示唆しています。そして決済業界全体のパラダイムシフトを象徴しています。Google PayやVisaとの連携による実店舗での利用拡大への動きは、その大きな一歩です。

「無利子の4回払い」や「0%からの分割払い」は、キャッシュフローを管理し、賢く買い物をするための強力なツールです。消費者にとって重要なのは、この新しい決済手段の特性を正しく理解し、自身のライフスタイルと経済状況に適した形で活用することです。私たちの買い物体験はより自由で豊かなものになるでしょう。
今後もKlarnaのような決済サービスの進化から目が離せません。